<Case Study>株式会社INPEX
KeepCupと推進するSDGsとチームビルディング
多様なエネルギーをよりクリーンな形で安定的かつ効率的に供給する事業を展開する株式会社INPEX。グローバルで社会貢献性の高いプロジェクトに挑む企業だからこそ、全社で環境課題やSDGsに取り組んでいます。今回、全社を巻き込んだエコオフィス活動、さらに活動によって生まれたコミュニケーションについて、プロジェクトを推進した社員の方にお話しを伺いました。
現場で完結せず、全社で地球環境課題に向き合いたい
佐々木直人さん(以下、佐々木):株式会社INPEX(以下、INPEX)は、エネルギー関連の事業を展開していることもあり、近年多様化している地球環境課題に対して、会社として意識を高く持っています。
当時、私は作業現場の安全衛生や環境負荷低減などを検討する部署に所属しており、作業現場では環境に配慮した手法、作業プロセスなどはすでに導入していました。
しかし、環境課題は現場だけの問題ではなく現場の活動を管理、支援する部署のある本社においても取り組むべきではないかと考えるようになり、本社オフィスの各部門から担当者を出し合い”赤坂本社エコオフィス活動”という取り組みを3~4年前に始めました。ちょうどレジ袋有料化が決まるなど、プラスチックゴミ削減に向けた取り組みが社会的に広がり始めた時期でもあり、INPEX社内のエコオフィス活動も会社から出るゴミを減らすことを目的としてスタートしました。
きっかけはオフィスのリニューアル
高柳圭佑さん(以下、高柳):ビル管理会社の協力もあり、当社オフィス内から排出されるゴミの量に関する情報を得て、現状の把握と課題を認識する事が出来ました。なかでも気になったのが、紙コップのゴミが多いことでした。オフィスにはカフェスペースがあり、そこでは使い捨ての紙コップを利用していました。
時同じくして、オフィスのリニューアルの話が進んでおり、エコオフィス活動によるゴミ削減の動きも認識していたので、リニューアルを機に、カフェスペースでは紙コップを無くし、代わりにマイカップを社員に配布することを決めました。会社としても紙コップの廃止は大きなアクションでしたが、リニューアル後は、デスクもフリーアドレス制に移行し、従来1フロアにしか無かったカフェスペースを全フロアへ設置するなど様々な要素から心身ともに心地よく働ける、時代にあったオフィスにアップデートが必要だと考えて決断しました。
楽しんでエコオフィス活動に参加してもらう仕掛けづくり
駒田菜穂子さん(以下、駒田):私は有志メンバーとしてエコオフィス活動に参加し、マイカップのデザイン・制作を担当しました。実はマイカップを作ろうと決めたものの、エコ素材でかつ機能性やデザイン性に優れたカップがなかなか見つからず悩んでいました。
たまたまオーストラリアのパース事業所で働く同僚と話す機会があり相談したところ、オーストラリアではマイカップとして知名度が高く、実際にパース事務所でも配られたことがあるというKeepCupを教えてもらいました。同僚と話したあと、Less PlasicのホームページでKeepCupを見た瞬間に「これしかない!」となりました。カラフルでカスタムの幅が広いデザイン性が他になく、KeepCupならお洒落なマイカップを作れそうだとわくわくしました。「ひとりひとりの小さなアクションが大きな変化を生む」というKeepCupの理念に深く共感できたこともポイントです。
佐々木:KeepCupはスケジュールギリギリで決まりましたよね(笑)最終的には社長プレゼンをして決まりましたが、今では役職問わず皆さんがKeepCupを使っています。
駒田:マイカップを会社に導入する際に重要視したのは、使いたいと思ってもらえるかどうかです。マイカップを作っても、使ってもらわないことには意味がありません。その為、デザイン性と機能性を兼ね備えたKeepCupを採用したかったので、社長プレゼンも気合いが入りました。採用後は各パーツの色を選んでカスタムカラーのKeepCupをオーダーしましたが、何百パターンもある色の組み合わせを考える作業が楽しく、その作業は独り占めしてしまいました(笑)
社員参加型にすることでチームビルディング効果も
駒田:INPEXのオリジナルKeepCupは蓋とプラグで合計55色のパターンを作り、さらに好きな色を社員ひとりひとりに選んでもらいました。ただ配るだけでなく色を選んでもらうことで参加意識を高め、ゴミ削減を自分ごと化して欲しかったんです。結果としては大成功でした。毎日お気に入りのカップで楽しくコーヒーを飲むことが、エコオフィス活動、ゴミ削減に繋がります。
高柳:今年入社した新入社員にもKeepCupを配布しましたが、入社前のオリエンテーションとして蓋とプラグの色を選んでもらうワークショップを実施しました。ワークショップを通じて内定者同士のコミュニケーションの場を作ることができますし、新入社員も自分たちが制作に携わったマイカップを受け取ると嬉しそうでした。
佐々木:KeepCupを見たら誰が今年の新入社員か分かるので、話すきっかけにも繋がりそうですね。新入社員に限らずオフィスで自分と同じ色のKeepCupを持っている人を見かけたら、違う部署の方でも親近感も湧きます。今回、エコオフィス活動やKeepCup導入を経て、想定以上に環境問題に関心を持っている方が多くいると感じました。KeepCup導入をひとつのきっかけとして、今後社員が発起人になって新たなプロジェクトが生まれ、会社のエコアクションがより推進できればと思います
INPEXの方と話すなかで印象的だったのは、環境課題に全社一体で取り組みたいという推進者の熱意でした。環境課題解決はひとりひとりのアクションの積み重ねです。影響力がある企業がサステナビリティを実践することで、社員やステークホルダーの意識改革、わたしたちの生活を改めて見直すきっかけに繋がる取り組みでした。